じじい(柴崎元治)×蒼星石

 唇はすぐに離された。
 それだけではない。
 あれほど乱暴だった運動も収まり、秘所を押し広げる感覚すら薄れつつあった。

「ああ……何て事だ。こんな時に……そんな」

 ……男性機能の限界であった。
 高血圧症は、性的能力の減退に繋がると言う。
 高齢もあってか、射精も出来なかった。

「くそ……勃て、役立たずめ、ほら!」

 中折れした息子に、祈りにも似た激を飛ばす。
 その表情は余りに情けなく、威信を根こそぎ奪われた貌に見えた。

「ああ……頼む、ああ……カズキ」

 ガックリと落とした肩。
 不意に、紐の輪が掛かる。
 それは急に狭まって首を締め上げた。

「!?」

 後ろに下がる老人の体。
 肉棒が抜かれ、破瓜の血と愛液が流れ出す。

 疲れ切った心と身体。
 だが、蒼星石は確かに見た。
 老婆が老爺……柴崎元治の首を締め上げている姿を!


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