ジュン×翠星石&真紅 その2

 まだ痙攣している体を起こして、真紅は浅いため息をついた。
 (……終わってしまったのね…。)
 嬉しいと思う反面、後悔が襲ってくる。
 彼の心に自分はいないのに、抱かせてしまったから…。
 そばで横になっているジュンに向かって口を開く。
「ごめんなさい…ジュン。貴方には大切な人がいるのに私のせいで…。」
 そんな彼女を見て
「…何言ってるんだ、真紅。お前のわがままはいつもの事だろ。
 確かに翠星石は好きだけど、僕はお前の事だって大切に思っているんだ。」
 さらに言葉を繋げる。
「…だいたい、落ち込むなんてお前らしくないだろ。
 もっと…こう、なんていうか…。」
「……あいかわらず、慰めるのが下手ね。ジュン。」
 実際はかなり慰められたのだろう、いつもの彼女らしさが戻ってきた。
 それがおかしいのかジュンはふわりと笑う。
「あら…、なにがおかしいのかしら?」
「…いや、やっぱりお前はお前だなって。」
 意味が解らないらしく、不思議そうに見つめ返してきた。


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