ジュン×翠星石&真紅 その2

 いきなり不意をつかれ、ジュンが聞き返す。
「ど、どうして…。」
「別にたいした理由じゃないわ。」
 『真紅に言う必要は無かった』
 ただそれだけで、二人は関係を秘密にしていた。
 だが、真紅は知ってしまっている。
「なんで…、それを……。」
 言葉が最後まで出てこない。
その時、半開きだった扉から光る飛行体が入ってきた。
 人工精霊ホーリエだ。
 真紅はジュンの腕からストンと飛び降りる。
 そして、鏡の前に立ち、手を前に差し出した。
 それに誘われるように、人工精霊は弧を描きながら宙を舞い、
 手のひらの上で、静止した。
「明け方にこの子が、…‥貴方と翠星石が一緒に眠っていた所を見ていたのよ。」
 真紅が切なげに言う。
 ……どうやらあの時、太陽が二つに見えたのは
   見間違いではなかったらしい…。


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