ジュン×翠星石&真紅 その2

 ……何年も整理していないのが原因なのだろう。
 部屋は物置と化していて、埃っぽくカビ臭い。置かれている物のほとんどが
 ジュンの両親が集めたコレクションで、赤の他人から見ればガラクタである。
 けれど、奥に置いてある鏡だけは話が違った。
 まるで心の中まで映し出しそうで怖いその鏡は、ジュンの目から見ても
 かなりの価値があるとわかる。
 ジュンは鏡の前で立ち尽くすが、真紅は動こうとはしない。
 「オイ」と声を掛けようとしたら、気がついた。
 鏡に映る自分を見据えている。
 その青い瞳は、本当に心の奥まで、見透かしているようだった。
「…‥どうしたんだよ…、真紅。」
 不安を払うように、ジュンは聞いた。すると、
「ジュン、貴方は翠星石のことをどう思っているのかしら?」
 と、逆に真紅に問いただされた。


[前へ] [次へ] [戻る]