ジュン×翠星石&真紅 その2
『真紅を紅か』
あの日…、ジュンと翠星石が共に寝た夜から、何日かが経った。
また夜を一緒に過ごしたいと思うのだが、二人とも不器用な性格のせいで
相手を誘えずまま、日々は平凡穏やかに過ぎていく。
けれど、真紅のわがままだけは増えていった。
「ジュン、テレビをつけて頂戴。」
目の前にチャンネルがあるにもかかわらず、ジュンにせがむ。
翠星石は、そんな真紅の態度に軽く妬きながらも、特には気にしなかった。
それだけ二人の信頼関係は強く存在していたのだ。
「ジュン、抱っこして。」
また、真紅がねだる。その声は翠星石には聞こえなかったようで
雛苺とじゃれながら遊んでいる。
ふぅ、と息をつき
「ハイハイ…で、どこに行くんだ?」
真紅を抱き上げながら聞く。
「そうね…、鏡が見たいわ。」
二人はリビングを出た。
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