ジュン×翠星石&真紅 その1
「……ジュンは翠星石の事嫌いですか?」
沈黙が破られた。
「なんだよ…、それ。」
「ジュンは翠星石の事が嫌いなんですか!?」
さっきより、若干声が大きくなっている。
翠星石は自分の目が潤み、喉が熱くなるのを感じた。ジュンから見ても肩をフルフルと震わし、
必死に泣くのを我慢しているのが分かる。その様子に気づいたジュンは慌てて、
「別に嫌いってわけじゃ……。」
質問に答えるが、立て続けに
「あの女と私だったら、……どっちが…好きですか?」
と質問を重ねてきた。一体何を考えているんだと思いつつ、言葉を返す。
「…そんなの比べられるわけないだろ。お前はお前で、
柏葉は柏葉なんだから。大体なんだって、そん…な……。」
その時、ようやくジュンは気づいて、言葉を切った。
翠星石が自分のことで妬いているという事に…。
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