ジュン×金糸雀

 数日後。

 桜田家の居間で、楽しく性戯に興じる人と人形の姿。

 人が人形を苛めている、おぞましい光景。

 けれど、二人の姿はとても仲睦まじくて――。



「そうら、こいつはどうだ?」
「あんっ! 六条バラ鞭なのかしら」
「流石はカナだ、敏感だなあ」
「好きなモノは体が覚えちゃってるのかしら」

 あれから数日後、すっかりジュンと金糸雀は深い絆で結ばれ……今日もプレイに耽っていた。
 金糸雀はマゾの悦びを大悟し、ジュンの縄や鞭も巧みになって、以前の痛ましい行為はもう影も形も無い。

「今度は首輪で外にお散歩に連れてってほしいのかしら〜」
「ようし、じゃあそれは今日のおとっときだ!」

 一応、平和そのもの。

 しかし、無論納得しない輩もいるもので――。


[前へ] [次へ] [戻る]