ジュン×金糸雀
「い、い、い、い、い……一体あれは何なんですかぁ!?」
「SMなのよー。雛は痛いの怖いからダメなのー。……でもちょっと羨ましいわ」
「そ、そんなコトを訊いてるんじゃねえです!」
他のドール達は大層不満であり、
精神的に穏やかではなかった。
「蒼星石……自慢の鋏でチ、チビ人間のアレをチョン切っちまうです!!!」
妬いてもいた。
「……それは駄目だよ」
「な、何を躊躇してるですか!? やっちまったモン勝ちです!」
「うん……でも、こうして無視され続けているのも最近何だか快感に……」
新しい快楽に目覚める者も。
「コイツはもう終わっちまったですぅ! 真紅っ! 真……紅?」
『ワタシハモウダメナノダワ。アンナヤツニゲボクヲトラレテ、メノマエデSMダナンテ…』
「ああそうですか、もうダメですか……」
壊れたり諦めたりする者も。
「へっへー、次は目隠しでプレイしてみようぜ」
「素敵なのかしら、ゾクゾクするのかしら!」
何はともあれ、幸福とは人其々、容易には量りがたいものであるけれど、
ジュンとカナは幸せです。
めでたくもあり めでたくもなし
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