ジュン×金糸雀

 ポッ、と火が蝋燭に燈る。
 それは程無く周囲を溶かし、蝋の小池を造る。
 SM専用の低温蝋燭だ。
 少し傾けて、金糸雀の背中に滴らせる。
「……っく! うぐぅ!!! あぁ……」
 蝋の熱さに身を仰け反らせ、その動きが股間に更なる激痛を与えた。
 既に息も絶え絶え、足元は痙攣を続けている。
 それでも責めは止まず、肩に点々と、花が咲くように零れていた。
 やがて胸元にまで落とされる。
 蝋は縄目で一旦留まり、溢れた分は次の縄目で留まりながら、股間まで流れた。
 その姿は全身血まみれのようで、まるでジュンに殺されたかのよう。
「……綺麗だ」
 ジュンはこの光景を、素直に綺麗だと思った。
 金糸雀は何時の間にか気絶している。
 優しく抱き上げ、頬にキスをした。
 縄の呪縛からも解いてやる。
「ごめんな……熱かったろう」
 ジュンは金糸雀を抱いたままスックと立ち上がり、
「綺麗にしてやらないとな」
 そっと部屋を出た。


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