ジュン×金糸雀

 手首のスナップを使い、軽く、何度も、白い肌に鞭を振り下ろしていく。
「ああっ! うあぅっ! きゃうっ!」
 幾重にも分かれた鞭身が破裂音を鳴らす度、金糸雀は悲鳴を上げた。
 だが、この悲鳴に熱い吐息が混じり始めている事に二人は気付いていない。
 金糸雀は、徐々に苦痛以外の何かを感じていた。
 ジュンもまた、只の悪戯感覚が、この非日常の行為に奇妙な興奮を覚えてしまっている。
 ヤリたい盛りの年齢だからと言う訳ではない。
 数週間前に見た、あるホームページの所為であった。


 その日、冷やかしに見た通販サイトで何の気なしに飛んだリンク先。
 あえぎの館――。
 何の変哲も無いSMクラブとショップのサイト。
 しかし、初めて見る倒錯の世界は少年の抑圧された性を鷲掴みにした。

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   No.226 バラ鞭携帯ストラップ(8条、黒)
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 本革製バラ鞭の携帯ストラップ。携帯性に優れ、外出先でのソフトな
 プレイにどうぞ。

 さあ、調教を開始めましょう。
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 数日後、小滝奈村とか言う地方の営業所から小さな小包が届いた。
 これでSMとは片腹痛い程に小さな鞭だったが、持った時に妙な満足感を覚えたのだ。


「さて、叩くだけじゃあ物足りないよな」
 撓りを効かせた強い一撃を見舞った後、ジュンは責めを一時中断し、収納を探る。
「お……あった」
 ジュンが懐かしそうに手に取ったものは……。


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