ジュン×金糸雀

 数分後、金糸雀のドレスと下着は脱がされ、代わりに靴紐が全身を這っていた。
 紐は首から股間の脇、乳房の周囲を巡って体の前後で所々四角や六角の形を為すよう複雑に絡み合っている。
 所謂、亀甲縛りと言うやつである。
 縄目から僅かにはみ出た肌が生々しい。
 緊縛の上、首輪代わりの結束バンドから伸びる細い鎖を掴まれている所為で、逃げる事も、屈んで裸身を隠す事も叶わない。
「……そ、そんなに見られたら、は、恥ずかしいのかしら」
 羞恥に顔を真っ赤にして、ジュンからの視線に耐える。
「恥ずかしいだって? その割にはお前、感じてるじゃないか」
 手足をもじもじとさせる金糸雀を、ジュンは鼻で笑う。
「そ、そんなことないんだからッ!」
「じゃあ、ここがこんな風になってるのは何でだ?」
 ジュンが既に固さを帯びた胸元の突起を指で小突くと、金糸雀の口から
「あぅ」
 と、切ない音が漏れた。
 赤い顔が、更に火を噴くばかりに色彩を増す。
「おいおい……こんなところでそんなに興奮してどうすんだよ」
 ジュンは呆れた様子でそう言うと、部屋の隅にある段ボールの山に手を伸ばした。
 箱を開け閉めして一分少々、小さな小包を取り出してジュンはニンマリと笑う。
 手には、掌に収まるほどの鞭……バラ鞭の携帯ストラップが握られていた。

「さ、お楽しみはこれからだ」

 そう言って、悪戯っぽく笑うジュン。
 金糸雀は血の気が引きながらも、鼓動が高鳴るのを感じていた……。


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