ジュン×真紅

夜。
家の住人がすべて寝静まった頃。

「……くっ……はあ……」

ジュンは一人自慰に耽っていた。
年頃の男子としては当たり前の行為。しかし、ジュンのそれは特別なものに感じられた。
「……はぁ……くっ……うぅ……真紅……」
ジュンは真紅を想い、ネタにしていた。
先週に真紅の入浴を手伝ったときから妙に意識してしまうようになり、遂に自慰をするときにも思い浮かべてしまうようになった。

「……あ、」
びくん、とジュンの息子から快感の証があふれ出す。
しかし、そこにあるのは快感より罪悪感と嫌悪。
前者は真紅をネタにしてしまっていることに、後者はそれで快感を得ている自分へのものだった。
「はぁはぁ……はぁ。」
自慰の後の疲労と溜息が混じる。
「……真紅。」


「呼んだかしら?ジュン。」


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