ジュン×蒼星石 その2

『蒼の誓い』 2

「ジュン、き、着たよ……」
蒼星石の恥ずかしそうな声を聞いてジュンは振り返った。
「…………」
言葉一つ出なかった。青のドレスを身に纏う蒼星石は、どのドールにも負けないほど輝きを放っていた。
「ど、どうかな……」
「…………」
ジュンはただ蒼星石を見つめていた。いつものボーイッシュな格好とはかけ離れた優雅な衣装は、普段との違いを強調する
がゆえに強い印象を植え付ける。凛とした表情の、透き通るような冷たい美しさを持つプリンセスのようだ。
「やっぱり僕にはドレスなんて似合ってないかな……」
悲しそうに目を伏せる蒼星石を無言でジュンは抱き寄せた。
「きゃっ……」
めったに出ない女の子っぽい悲鳴を上げる。
「とても……とても綺麗だよ、蒼星石……」
「……ほ、本当?」
「ああ、とても似合う。まるでお姫様みたいだ」
「でも、それはジュンの作ったドレスが素敵だから……」
「着ている蒼星石が輝いていないと、僕の作ったドレスはただの衣装に過ぎないよ」
「ジュン、本当の本当?」
「本当だよ……」
蒼星石はゆっくりと笑顔になると、目尻に涙を浮かべてジュンに強く抱きついた。
「嬉しい……嬉しいよ、ジュン……。ありがとう、こんな素敵なドレスを作ってくれて……」
「どういたしまして……」
蒼星石は熱い視線をジュンに向けると、素早くジュンの唇を奪った。
「そ、蒼星石……!?」
可愛い不意打ちにジュンは慌てて離れた。そんなジュンを潤んだ瞳で見ながら、蒼星石はゆっくりとスカートをたくしあげた。
いつものズロースとは違う、このドレス用にジュンがわざわざ作ったレースの白い下着が丸見えになる。
「蒼星石……」
ジュンは唾を飲み込んだ。凛としたプリンセスは、いまや淫らな娼婦のようだ。
「これ、お礼……」
蒼星石は熱い息を吐きながらスルスルと下着を脱ぎ捨てた。


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