ジュン×真紅

「もう少し右よ。何度言わせるつもり?」
「……うるさい。」
今のジュンの状況は、端から見ると非常に奇妙なものだった。
一回りも二回りも小さな少女に指示され、甲斐甲斐しく背中を流す一般中学男子。
(……なんでぼくがこんなことをやらなきゃいけないんだ。)
言い忘れていたがもちろん真紅は一糸纏わぬ姿。ジュンは腰にタオル一枚という姿。
「ほら!終わったぞ!さっさと石鹸を流して上がるぞ!」
早くこの気まずい状況を脱したいジュン。
「なにを言っているの。前がまだでしょう?」

「は?」

こちらを振り向きさも当たり前といったふうに座っている真紅。
対するジュンは口をパクパクさせながら顔を真っ赤にさせて戸惑っている。
「なにをしているの。さっさとしなさい。」
今の状況をなんとも思わないのか真紅は平然としている。
「……わ、わかったよ。」
覚悟を決めたのかジュンは恐る恐る真紅の体を洗い出す。


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