ジュン×蒼星石 その1

『蒼の目覚め』 3

「ん……あ……」
上着を丁寧に脱がされた蒼星石は、ジュンの指が胸や背中を撫でるのを受け入れていた。そのたびに抑えても声が漏れる。
「蒼星石、やわらかい……あたたかい……」
小指の先で蒼星石の控えめな胸を横から優しく撫でる。
「ジュンの指も……はぁ……あたたかいよ……はぁ……はぁ……」
乱れた息をもう隠そうとしないで、蒼星石はジュンの指を感じていた。以前女の子がマスターだったとき裸の胸に触れら
れたことはあったが、それとは明らかに違う感覚に蒼星石は戸惑いを覚えていた。
「なにかおかしいよ……ボク……こんな感覚初めて……」
胸の先に小さくついている蕾が控えめに自己主張を始める。
「蒼星石、僕の指を舐めて……」
「え……?」
自分の身体の奥にゆっくりと火をつけてきた指が離れて切ない視線を向ける。その潤んだ瞳の前にジュンの指がつきつけ
られる。人間の同年代の男としては細い指。蒼星石は、この指がどれだけ凄い技巧を持っているかを知っている。人形の
魂を呼びもどし、薔薇乙女をすら修復できる奇跡の指だ。
「あ……ジュン……」
その指に、蒼星石は敬意と、そして初めて感じた欲情を込めてキスをした。
「ちゅ……」
そのまま小さな舌で丁寧に舐めていく。
「ちゅぶ……ちゅ……ちゅ……ちゅぅ……ちゅっぷ……」
むき出しの胸をジュンの拳に無意識にすりつけながら、蒼星石は夢中でジュンの指を舐めた。
「ちゅ……ちゅ……ちゅぅぅ……ちゅぷっ……ちゅぷっ……」
肌よりもあたたかい、いや、熱いと言っていい蒼星石の舌にとろけるような感覚をジュンは感じた。
「蒼星石……いいよ……」
「ん……ジュン……」
切なげにジュンを見る瞳に答えるように、ジュンは蒼星石に舐められて湿った指で蒼星石の乳首を優しくつついた。
「……! んんぁ……ああああっぁぁっ……!?」
高まっていた身体にとって、その一撃は最後のとどめとなった。蒼星石は今まで体験したことのないような、身体が浮き
あがる衝撃を感じながら、ゆっくりとジュンの胸に倒れかかった。
「え……蒼星石?」
ジュンは我に返ると、慌てて蒼星石の様子を見る。もしかしたらネジが切れたのかもしれない。
「すー……」
その小さな声にジュンは安堵の表情を浮かべる。
「寝ただけか……驚かすなよ……」
ジュンは幸せそうな寝顔をしばらく見つめる。先ほどまでしていた淫らな行為のことを振り返ると、今更ながら顔が赤く
なるやら青くなるやら。
ジュンは優しく蒼星石を抱き上げると、彼女の鞄の中に丁寧に入れ、そして自身も眠りについた。


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