ジュン×蒼星石 その1
『蒼の目覚め』 4
翌朝。
ジュンは目覚めるなり視線を感じた。
「……?」
視線を感じる先では、蒼星石がもじもじした様子でジュンを見ていた。
「お、おはよう、ジュン……」
「あ、ああ、お、おはよう、蒼星石……」
お互い昨夜の行為を思い出して、どちらからともなく赤くなる。
「……ジュン?」
「蒼星石、どうしたです?」
「おはよーなの!」
その様子を不審げに見つめる真紅と翠星石。何も気づかない雛苺だけ能天気だ。
「そ、そうだジュン、朝ごはんができているみたいだよ」
「そ、そうなんだ。ありがとう、蒼星石」
とってつけたような蒼星石の言葉に、これまたとってつけたように礼を言うとジュンはバタバタと部屋から出ていった。
「さ、朝ごはん、朝ごはん」
そのあとを蒼星石はついていく。部屋に残された3体のドールズがぽかーんとした表情で扉を見つめる。
「……あの二人、いつの間に仲良くなったのかしら?」
「蒼星石、なんかとても喜んでたです」
「雛も仲いーのー!」
「蒼星石、昨日は……」
「い、言わないで! は、恥ずかしい……」
何か言おうとするジュンの口を蒼星石はジャンプして塞ごうとする。
「やっぱ昨日のは夢じゃないんだ。蒼星石と……」
「わー! わー!」
ぴょんぴょん飛びかかる蒼星石にジュンは微笑みかける。
「蒼星石、これからもよろしく」
「もう…………馬鹿…………」
人差し指をもじもじとくっつけながら、頬を染めた蒼星石は小さく呟いた。だが、その表情はとても幸せそうだった。
おしまい
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