ジュン×翠星石

「はぅっ!?」
 瞬間、彼女の身体が跳ねる。
ドールには必要のないはずの排泄器官。
人間で言えば肛門にあたる場所に、突然異物が侵入した。
それがジュンの指だということに気づくのに、さほど時間はいらなかった。
「くぁ…お、お尻は…んぁん…ダ…メ…ぇ…!」
 ジュンはかまわず指を動かす。
入れたり出したりかき回したり、汚れないその穴をジュンの指がどんどんと犯していく。
そんな指のリズムに合わせ翠星石は踊り、狂ったように鳴く。
「ひゃうぅ…ああぅ…くぅ…!」
 そのたびに翠星石の膣は締まりを増す。
前と後を同時に犯され、彼女はこれまでにないぐらいよがる。
「あはぅ…ひゃ…ふぁ…く…!」
 理性などもはや残っていない。
何度も繰り返される深く激しいピストン運動。
そして、限界を告げるように翠星石が叫んだ。
「はぁ…んぁ…ジュンっ!」
 翠星石は耐えきれないほどの気持ち良さに、微かな恐怖を感じる。
その恐怖に支配されないよう、ジュンの首に回している腕に力を篭める。
「ふぁ、あぁ…あぁぁぁ!」
「くっ…!」
 同時に絶頂を迎えた一人と一体。
ジュンが低く呻くと、翠星石の下腹部に全てを吐き出した。
どくっ、という生々しい音をたて、彼女の膣がジュンで満たされていく。
「あぁ、はぁぅ…んっ……」
 心地よい虚脱。それはまるで走りつかれたように、指の先を動かすのも緩慢になる疲労感。
幾度となく味わったこの幸福。この時だけは、ジュンは自分のものだと実感できるのだ。
「ジュン…」
 彼は自分の上で肩を小さく揺らしていた。顔を伏せているので、表情は見えないが、恐らく自分と同じように行為の余韻に浸っているのだろう。
翠星石はいまだ中で暴れ続ける肉棒に身を震わせながらも、紅く染まった彼の頬にそっと手を添える。
ジュンはそれに気づき、ゆっくりと顔をあげる。
いまだ焦点の合っていない目で見詰め合い、吸い寄せられるように口付けを交わす。
何秒が経過しただろう、やがて一本の唾液の糸を引いて、唇が離された。
互いの吐息を感じれる距離。オッドアイと黒い瞳が交差する。
しばしの静止のあと、ジュンの口がそのまま翠星石の耳元に近づいた。
そして囁くような小声で、言った。
「真紅」


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