ジュン×翠星石
窓の外では降りしきる雨が全てを流してしまうかのような勢いで、灰色の空から落ちてくる。
テレビの予報通り、今日は一日雨なのだろう。薔薇に水を与える必要もなさそうだ。
自分を覆うジュンの身体越しに見える白い天井を見上げ、翠星石はそう思った。
「んっ…あぁ…」
そんな場違いなことを考えている心中とは裏腹に、彼女の濡れた唇から漏れるのは甘い喘ぎ。そしてそれに合わせてベッドもギジギジと音をたてて軋み、その行為が現実であることを彼女に教えていた。
一人と一体の淫らな関係。
互いに求め合い、貪りあう。
いつからこんな関係になったのだろう。
彼に貫かれるたびに真っ白になっていく、惚けた頭ではとても思い出すことはできなかった。
せめて、いまだけは何も考えずその温もりを自分の中に感じていたかったから。
「ジュ…ン…んぅ…はぅ…」
吐息まじりに愛しき者の名を呼ぶ。彼は行為に夢中なのか、それともあえて無視しているのか、返事は返ってこなかった。
代わりに返ってきたのは背筋が震えるほど、甘美で優しい愛撫。
「ふぁ…あ…ん…」
小ぶりの形の良い少女のような胸にジュンの手がそっと触れる。それだけで翠星石は声を零す。
それに気分をよくしたのか、少し乱暴に指を食いこませる。
「うぁ…あぁ…」
彼女の白い乳房が薄紅色に染まった。
今度は胸を揉み始めたジュンの掌は、固くなった胸の突起を巻き込んでより強い刺激を翠星石に与える。
翠星石は切なげに吐息を零し、身をよじるが、しっかりとジュンに抱きかかえられているために、逃げ出すこともできずにその快感に悶えるしかなかった。
「ひやぁ…うぅ…」
ジュンの手が胸から下腹部へと滑っていく。翠星石の体のラインを楽しみながら、その手が行きついた先は――
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