水銀燈×真紅・ジュン

ハァハァといやな息づかいをしながら、水銀燈は翠星石のその小さな体におもいきり抱きつく。
そしてそのまま彼女の胸元に自分の顔をグリグリと擦り付け、いかにも嬉しそうな声で鳴き始める。

「あぁん、はやくぅ……いつもみたいに罵倒してぇ……私をバカにしてよぉ……♪」
「ひ、ひぃぃぃ〜〜!き、気味の悪いことを言うなですぅ!……こここ、この変態ぃぃぃ!!!」

さすがの翠星石も彼女のその異常な性癖に恐怖を感じるらしく、抱きつかれた体を引き剥がそうと必死にもがき苦しんでいた。
翠星石の嫌がる姿なんてそうそう見れないだけに、僕はその様子をただ黙って見つめていた。

「や、やめなよ水銀燈……彼女、嫌がってるじゃないか……」

双子が襲われているのを見かねたのか、彼女のもう一対のドールである蒼星石がその様子を止めに入る。
水銀燈のその卑猥な行動を見るのも恥ずかしいらしく、顔を少し赤くさせていた。

「あらぁ、あいかわらず真面目なのねぇ蒼星石……じゃあこんなことしたら、水銀燈のこともっともっと叱ってくれるぅ……?」

そう言って彼女は翠星石から離れると、蒼星石に見せ付けるようにしながら自分のスカートをたくしあげる。
黒紫の長いスカートが顔の辺りまで持ち上げられ、履いている下着がそのまま丸見えになってしまう。

「!?……き、君って子は……ほ、ほんとに変態だよぉぉぉぉ!」

まるで痴女を見た少年のようにウブな反応をしながら、蒼星石はそのまま一目散に部屋を出て行ってしまった。


[前へ] [次へ] [戻る]