水銀燈×真紅・ジュン

そうして一つの決心をした私は、すぐさまその黒い翼を羽ばたかせて彼女のいる部屋に近づいていく。
徐々により鮮明に見えてくる愛しの真紅の姿に、私の心臓の鼓動は更にそのスピードを加速させていく。

あぁ……待っていてね真紅ぅ♪
もうすぐ……もうすぐあなたのそばに水銀燈が行くからぁ♪

そんなストーカーのようなことを思いながら、部屋の窓のすぐ外まで来ると、彼女も私の姿に気づいたのか、その手に持っているカップをテーブルの上に置いた。
私は自分が彼女の目にとまったことに嬉しくなりながら、その目の前の窓をそっと手で開ける。

ほんとは割って入った方がカッコイイんだけどぉ……。
そんなことして、大好きな真紅の顔に傷でもついたら大変だものぉ……。
私ってばなんて良い子なのかしらぁ……ウフフフフ♪

もうすぐ真紅とお話が出来る嬉しさを胸にときめかせながらも、私はいつものすました顔で部屋の中に入っていく。
そんな私を見て、真紅はいかにも嫌そうな顔をしながらスッとその場に立ち上がった。

「フフフ、こんばんは真紅……満月の綺麗な夜だっていうのに、あなたはあいかわらずブサイクなのねぇ……」
「うるさいわね、誰がブサイクよ……あなたも、あいかわらず人に対する礼儀がなってないようね……」

私のその暴言を聞いて、真紅の蒼い瞳がキッとこちらを睨みつける。
そのグサリと突き刺してくるような視線に、おもわず私のマゾの部分が刺激され、下腹部がキュンと締めつけられるようなイケナイ感覚に襲われる。


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