ジュン×翠星石

ジュンは・・・翠星石!といって駆け寄ろうとしたが。

「来るなです! このチビバカっ!」 うつむいたまま翠星石は叫ぶ・・・。
「私なんてただの人形です。だから別に捨てられようがどこでなにしてようが・・・勝手ですぅ!自分で・・・一人で生きていくから。」

それでもジュンは翠星石に静かに近づく。

「来るなって言ってるですぅ! アホバカ短小脳内わいてるチビ!」思いつく限りの暴言を吐く。

でもいまならわかる。それは好きの裏返しだってこと。こんな単純だったんだ。好きな人をいじめたいっていう、そんな単純なことが。

だから、ボクは・・・翠星石を抱きしめた。

「な、なにするですぅ? そ、そんなことするなですぅ。はーなーせーでー・・・。」と翠星石が言いかけた。しかしそれをさえぎるように。

「ゴメン、翠星石。ボクはオマエにひどいこと言った。許して・・・。」と、そういって。


唇を重ねた。


・・・二人だけの時間がゆっくり流れる。

ぷはっ、そんな音とともにキスは終わる。

「そ、そんな・・・ひどい・・・。ひどいですぅ、そんな風にするなんて・・・。」

翠星石は、顔を赤らめながら言う。だから、ボクは・・・。

もう一回。今度は深い・・・深い・・・まるで翠星石の口をすべてうばってしまうようなキスをした。

ジュンが舌をだし、翠星石の口の中に入れようとする。
最初はとまどっていたが、軽く口をあけ・・・それを迎え入れる。

ジュンの舌が、翠星石の口を犯す。すべてをもぎ取るように暖かい口内を・・・。
翠星石も、同じようにジュンのなかにおそるおそる舌を入れて・・・。

お互いがお互いを求め、貪る。

「んっ・・・んんぅ・・・ぅぅ・・・んっ・・・」雨音がうるさいはずなのにこんなに大きく声が聞こえる。
体と体の距離が0だから・・・できること。

そして、またぷはっという音ともに離れる。


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