ジュン×翠星石

「い、いいですぅ…」翠星石はまだ、夢の中の世界にいるといった感じ…でつぶやいた。

「な、なにがいいんだよっ!」

ジュンは、ビデオの中の性行為しかしらなかった。しかし、それは所詮演技でしかなかったのだ。
自分の中の黒い感情が…自分にあるオスとしての本能が翠星石を傷つけようとしたことがたまらなくくやしかった。

「ボクは、オマエにこんなことしたんだぞ! き…嫌われるはずなのに…、なんで嫌いにならないんだよ!」

「だからオマエは心までチビって言うですっ!」

翠星石がまだ回復しきっていないのに、ふらふらしながら起き上がっていった。

「あたりまえですっ! 嫌いなヤツにそんなこといわれたら大声で叫ぶし逃げるに決まってるです! 
なんで逃げなかったか、まだそんなこともわからないのです? だからオマエは・・・」

頬にすーっと流れる涙…、暖かい小さな…小さな水滴が、床に落ちてそこをぬらしていく。

「なんで、わからないですか? 薔薇乙女(ドール)だから? そんなの関係ないです。ジュンが…ジュンが…。」

「もう言わなくていい。翠星石。」

ジュンはそういうと、翠星石を抱き上げて抱きしめた。


[前へ] [次へ] [戻る]