ジュン×翠星石
「さぁ、チビ人間。いま何を隠したですぅ?素直に見せるがいいですぅ。」
某芸能レポーターにも似た、イヤラシイ顔をさせながら近づいてくる翠星石。
一方、追い詰められた小犬のように「な、なんだよ。あっちいけって」というキャンキャン言うジュン。
立場は歴然としていた。
「さぁ、何を隠したですぅ? 見せてみなさいですぅ。今日は誰にも言わないであげますですよぉ?」
ウソだ、絶対ウソだ。言わないとしても一生弱みを握られる。
「な、なんでもないって言ってんだろ。出てけよ!」
「いーやーでーすぅ。後ろに隠したものを翠星石に見せるですぅっ!」
といって、飛び掛る翠星石。
「わっ!」その拍子に落ちてしまい…「これですぅ…♪」見つかるわけである。
半ばお約束的に見つかったわけであるが、ジュンはこの世の終わりのような顔をして「頼む、言わないでくれ…」というような目線を翠星石に送ったのだが。
「これ、なんですぅ? なにかスイッチみたいなのとまぁるいのが付いてるですぅ。」
といいながらしげしげと興味深いのかいろいろいじりながら見ている翠星石。
『も、もう終わりだ…。この性悪人形に一生弱みに付け込まれるのか…』と、本気で落ち込むジュン。よりによってこんなおもちゃを見つけられるとは、運の悪いヤツである。しかし…。
「ふーん、なんかよくわからん物体ですぅ。所詮チビ人間のモノですから、くだらないものなの…」といじりながらいいかけたところで、偶然にもスイッチが入ってしまった。
「ひぁっ!」っと声を出して翠星石は、それを地面に落としてしまった。
音を立てながら落ちたそれは、シーンと静まった部屋で低く「ブーン」とうめいている。
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