真紅・翠星石・雛苺×ジュン

「ふぅ……」
 ジュンは自分の部屋の前でため息をついていた。
 結局シャワーを浴びても、真紅たちとのキスが頭から離れることはなかったのだ。
 できれば布団を被って全てを忘れて眠ってしまいたいのだが、部屋の中には真紅たちがいるはずだ。
 先ほどのこともあり、今は真紅たちと顔を合わせづらい。
「……あー、もう! そもそも何で自分の部屋に入るのに、ためらわなくちゃいけないんだよ!」
 しばらく悩んだ末、結局、ジュンは半ばヤケになってドアを開けた。
 真紅たちはベッドの上でジュンを待っていた。
「あ、ジュンがやっと来たの!」
「遅いわよ、ジュン。レディを待たせるのは良くないわ」
「全く、デリカシーの無いやつですぅ」
 三人の顔を見た時、ジュンは先ほどのキスの感触を思い出してしまった。
「お、お前ら僕のベッドで何をやってるんだ。ど、どけよ。僕はもう寝るんだから」
 ジュンはなるべく彼女たちの顔を見ないようにしながら、ベッドから三人を追い払おうとした。
 だが、真紅たちは真剣な眼差しでジュンを見つめている。
「ジュン、これは大事なことなの。聞いて頂戴」
「……わかったよ」
 さすがにそんな彼女たちを無視することはできず、ジュンもベッドに腰掛けて話を聞くことにした。
 三人を代表して、真紅が説明を始める。
「さっきも言ったけど、今のジュンは一人で私たち三体に力を分け与えてるの。だから、体力がすぐに無くなって、今日みたいなことになるのだわ」
「でも、それはもう解決したんだろ? さっきの……その……あれで」
 キスの話題が出ると、真紅も翠星石も赤くなった。もちろんジュンも真っ赤である。雛苺だけはきょとんとしていた。
「あ、あの接吻は応急処置にすぎないわ。私たちの力をほんの少しジュンに送りこんだだけ。一日ももたないわ」
「このままではちび人間、衰弱死するですぅ」
「死!?……って、じゃあ、結局どうすればいいんだよ!」
 死ぬといわれて、ジュンは思わず声を荒げた。
 そんなジュンに対し、真紅は真剣な表情のまま告げた。
「ジュン、服を脱ぎなさい」


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