ジュン×雛苺

「よーし!始めるのよっ!!」
のりに書いてもらった花丸ハンバーグの作り方を広げてひとしきりガッツポーズをとると
雛苺の夕食計画は始まった。椅子を使って冷蔵庫からひき肉や野菜をとりだして……
「たまねぎ…人参…ミキサーにかける…ミキサーって何なのよ…?」
いきなり躓く雛苺だが、紙の隅にミキサーの絵が書いてあることに気づいた。
戸棚の中を探してみると、
「これっ!あったのーっ、……でもなんか中に包丁(!?)が付いてる…ここに野菜をいれるの…?」
とりあえずコンセントをつないでスイッチを触ってみると……
グイイイイイイイィィィィィーンッ!!!
中の「包丁」がものすごい勢いで回転した。
「キャーっ!!野菜さんが潰れちゃうのぉぉぉっ!!かわいそうなのぉぉぉっ!!!」
おぞましい想像をした雛苺はぞっとして叫んだ。しかしだからといってここでやめる訳にはいかない。
雛苺は目を瞑ると、野菜をミキサーの中に入れ蓋をした。そして、
「ごめんなさいなのーーっ!!!」
グイイイィィィィーン……
叫びながらスイッチを押した。ところがその時、
ベシャッ!!!!
ちゃんと押さえていなかったので、蓋が開いて中の野菜が飛び散った。
「キャーッ!野菜さんが怒ったのーっ!」
雛苺はびっくり仰天したものの、もう一度野菜を詰め込んで、両手で蓋を押さえながら
スイッチを押した。


[前へ] [次へ] [戻る]