ジュン×雛苺

ある日の夕方……
「あら、ヒナちゃん?その格好…どうしたの?」
夕食を作ろうと台所に降りてきたのりは、丈違いのエプロンを着て
真剣な顔をしている雛苺を見つけて言った。
「あっ、のり!!今日はね、ヒナがだ―い好きなジュンの為にお夕食つくるのよっ!
だからのりは部屋で待っててちょうだいなの!!」
そう、雛苺はジュンの為に一人で夕食を作ろうとしていたのだ。自分の体の倍程ある
のりのエプロンを着て、その周りにはボウルだのカップだのが転がっている。
「え、でもヒナちゃん…一人じゃ危ないわよぅ?コンロも使うんでしょう…見ていちゃだめ?」
のりは椅子に登らなければガス台に背が届かない雛苺を心配して訊いた。
ところが…
「めーなのっ!ヒナ一人で作るんだからっ!!」
そういってのりをドアまで押し戻そうとした。
「わ、わかったわ。でも危なくなったらすぐに呼んでちょうだいね。」
のりは観念してそう言うと自分の部屋に戻った。


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