水銀燈・ジュン×真紅

私達……?
その言葉に疑問を抱いたその時、私は水銀燈のすぐ後ろにジュンの姿を見つけた。
なぜか彼は、追い詰められている私を見てもまるで動じずに、黙ってこの様子を傍観している。

「ちょっとジュン!何をしているの!……黙って見てないで、早く助けなさい!」
「……………」

ジュンは私の言葉がたしかに聞こえているはずなのに、なぜかその場でじっと立ち止まったまま動こうとしない。
普段のそれとちがい、彼の表情にはどこか生気が感じられず、その瞳はまるで人形のように凍った目をしていた。

「ジュ、ジュン?……どうしたというの?……ジュン!」
「いくら呼んでも無駄よぉ、真紅……無駄無駄無駄、だってもう彼は……」

そう言ってチラっと後ろを振り向いた水銀燈は、ジュンに向かって小さく合図を送る。
私の呼びかけにはまったく答えなかった彼が、それを見てまるで操り人形のように従順に、水銀燈のすぐ隣まで寄り添ってくる。
そして次の瞬間、もっとも見たくない光景が私の目の前で繰り広げられた。

「ん……んふぅ……んんぅ……」

色っぽいため息を吐き出しながら、水銀燈がジュンの唇に自分の口を重ね合わせた。
ピッタリと重なり合った二人の唇がそのままねっとりと絡み合い、徐々にそのキスが舌を絡めあう淫靡なものに変わっていく。

「あむ……ん、ん……ピチャ……ピチャ……」
「う……あぁ……銀様ぁ……ハァハァ……あぁぁ」


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