ジュン×真紅・翠星石・雛苺

「い、いいかげ……」
 羞恥心の限界がアッサリ訪れた翠星石が、いつものことだが逆ギレでこの場を乗り切ろうと口を開いたタイミングで、
「……ねぇジュンくん」
 少女(?)に呼ばれたジュンは、まるで操り人形のように画面に視線を移した。
「………………」
 キレるタイミングを逸した翠星石は、どうしたら良いかわからず口をパクパクさせている。
「……女の子の…………うぅん、私のアソコ…………見たい?」
 幼馴染、によく似た少女(?)の媚びているような声と潤んだ瞳に誘われて、思わずジュンは画面に向かって、
「……うん」
 声を出して頷いてしまった。
「!?」
 あわてて口を押さえたが当然もう遅い。ドールズの視線が集まる。更にそれに追い討ちを掛けたのはまたしても少女(?)の一言だ。
「うん、じゃなくて…………もっとちゃんと言って………………見たいって…………お願いジュンくん」
 絶対ボクはからかわれている
 その自信も自覚もジュンにはあったが、少女(?)の瞳は『早く……』そう急かしてるようで、でもなぜか逆らう気も起きない。
 右から左から上からアイパワーを感じるが、それでもジュンは、
「み、み、み、……見たい」
 言っちゃってた。うわずったみっともない声で、しかもドモッてジュンは言っちゃってた。
「なにを? なにを見たいのなのぅジュン?」
 ジュンの肩に乗っている雛苺は不思議な顔をして首を傾げる。少女(?)の声が聞こえていない雛苺には意味がわからない。
 それは他のドールズも同じで、
「へんっ ジュンの心の病はかなり深いところまで達してやがるようですぅ もう末期症状が出てやがるですぅ」
 先程は無視された形になった翠星石などは口を尖らせて毒づく。
 いつもならこれでジュンは翠星石にリアクション(頭グリグリしたりとか)するのだが、それでも視線は画面の少女(?)に釘付けだ。


[前へ] [次へ] [戻る]