ジュン×真紅・翠星石・雛苺

「な〜〜にをさっきからオドオドしてるですか?いつも小さいですが、今日はまた一段と人間が小さいです」
「余計なお世……」
「ねぇジュン、巴、お着替えしてるの?」
「え!?」
 頭の上から聞こえる雛苺の声に、ジュンは弾かれたように画面を見た。
 少女(?)のアクションはなんともせっかちで、ジュンがほんの少し翠星石にかまっていただけですでに上着を脱ぎ去っている。
 飾り気のないスリーブ(ていうの?)が、はにかんだ笑顔とマッチしていて可愛らしい。
 思わずジュンは、怒っているのとは種類がまったく違う理由で顔を赤くすると、ぽか〜〜んと間抜けに口を開けて魅入ってしまった。
“ドガッ!!”
「ぶぅッ!?」
 頬にいきなり真紅の小さな拳が叩き込まれる。ミニマムな拳とは反比例して、その衝撃はけっこうビッグだ。しかもいまは頭の上に、
「落ちぃ〜〜〜〜〜る!! ジュ〜〜ンあぶないのぉ〜〜〜〜!!」
「あだだだだぁっ!? オマエ髪の毛が、痛ッ!? イテイテ、離せチビ苺!!本気で痛いんだ!!」
 落ちないよう必死の雛苺と、痛みの為に暴れるジュン。二人は見事なハーモニーの悪循環に陥っていた。
「ふんっ 踊れ踊れですぅ …………ただでさえシマリのない顔なのに、間抜け面晒してるからそういう目に遭うです」
 そしてそうやってジュンと雛苺が踊っている間にも、画面の少女(?)の手は止まらない。
 いまどきの女の子の制服にしては珍しい、膝下までキッチリあるスカートを、カメラのレンズの向こうにいる人間を充分意識してか、
ゆっくりと焦らすように捲り上げていく。
 ジュンは髪の毛の痛みも忘れて、またまたぽか〜〜んとアホ面さげて見つめていた。
 健康そうな白い太股が目にも眩しいが、スカートに隠されている下着は見えそうで見えない。
“ゴ……クンッ……”
 まだあまり、いや全然目立ってないジュンの喉仏が、大きく上下して生唾を嚥下する。
“ゴズッ!!”
「ぶふぅッ!?」
 衝撃がまたしても不意打ちでジュンの頬を襲った。しかも今度はダブルで。


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