蒼星石

12月22日
俺はこたつで静かに本を読んでいた。外は酷く寒い。それに今日はかなり疲れている。
しかし犬の散歩には行かなければならない。毎日行かないとストレスがたまるのだ。
かつて保健所から引き取ったとき、俺は再三そのことを注意された。
ただでさえ人に慣れていない犬なのだからちゃんと面倒を見ろとのことだった。
しかし外は酷く寒い。それに今日はかなり疲れている。俺はそのことを考えるとよけいに疲れた。
「ねえ、マスター、遊ぼう?」
蒼星石が急に居間に入ってきた。俺は不意をつかれて少し驚いた。
「いやだね。こたつから出たくないし寒い。それにあとで犬の散歩にも行かなきゃならん。」
俺はしっしと手払いをした。
「ねえ、退屈なんだよ。遊ぼう?マスター。」
蒼星石は俺の右手を掴んで、甘えた声を出して言い寄ってきた。
そもそも今までこんな事一度もなかった。俺は驚きに包まれた。
蒼星石はあまりにもしつこいので、ぶん殴ってやろうかとも思ったが、それは気の毒だと思った。
ここで俺はある意地悪を思いついた。
「仕方ないな。じゃあ遊ぶぞ。」
「わあい、やった!」
蒼星石は微笑んで俺を見た。とても喜んでいるようだ。
そういえば柏葉さんから聞いた話だが、ある事件が起きてから、蒼星石は真紅や雛苺に見捨てられたらしい。
そしてその後、間もなく姉は死んだらしい。その後しばらくしてから俺の家にやってきたのだ。
きっと蒼星石はこうやって遊ぶのはかなり久しぶりなのだろう。
「しかし遊ぶ内容は俺が決める。隠れん坊だ。文句ないな?」
「うん!僕、隠れん坊大好き!」
蒼星石ははしゃぎだした。
「お前がオニだぞ。目をつぶって100数えろよ。」
「うん!1,2,3,4,・・・」
蒼星石は壁に顔を向けて数を数え始めた。


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