蒼星石
12月18日
蒼星石はどうやら帽子が宝物らしい。とても大事そうにしている。
昼食が終わると蒼星石は二階に行き、帽子をタオルで軽く磨いたあと、抱きしめてニヤニヤする。
俺はそのときの顔が嫌いだ。蒼星石は見たいテレビがあると、帽子を置いて慌てて一階へ下りていった。
昨日のことがまだ許しきれない俺は、引き出しからカッターを取り出して帽子をボロボロに刻んでやった。
テレビが終わり、蒼星石は二階に上っていった。
俺は仕事部屋で仕事をしていると、勢いよく蒼星石が入ってきた。ボロボロの帽子を抱きかかえている。
「マスター!僕の帽子ボロボロにしたの、マスターでしょ!!」
蒼星石は大声を出した。今まで見たことがないほど怒っている。そして涙ぐんでいる。
「ん?知らね〜な〜。勝手なことほざいてんじゃねーぞ。」
俺はわざとらしく振る舞った。
「うそつき!!大好きな帽子だったのに!!直してよ!!僕の帽子直してよ!!」
蒼星石は泣きながら俺の膝をポカポカ叩いている。
「う・・・僕の帽子ぃ・・・ひいん・・・・・ひっく・・・。」
ついにはボロボロになった帽子を両手でぎゅっと抱きしめて泣き出してしまった。
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