蒼星石
12月13日
夕方になった。蒼星石は寒い体を揺すりながら洗濯物の取り入れを始めた。
相変わらず時間がかかる。だが朝よりは手慣れた様子だ。そして取り入れが終わった直後だった。
「え?あれ・・・?ええ・・・・・・・??」
蒼星石は必死に洗濯物をかき分けて、何かを探しているようだ。
「ねえ、マスター。僕の服、知らない?」
蒼星石は心配そうな目で俺を見つめた。
「なんで俺がお前の服を知らなきゃならないんだ。洗濯したのはお前だろう?」
「う・・・うん・・・。」
蒼星石はそう言うと、また洗濯物の方へと一気にかけていった。
そしてまた洗濯物の中を詮索し始めた。
「おい、なにやってるんだ。さっさとたたんでタンスにしまえよ。」
「え・・・でも・・・僕の服が・・・。」
蒼星石は今にも泣き出しそうに声を震わせた。
「それはお前の責任だろうが!さっさとたため!」
蒼星石は急いでたたみ始めた。そしてその中から自分の服を見つけることはなかった。
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