蒼星石

12月11日
蒼星石は四つんばいになった。糞犬っころのようだ。
ウンコをじっと見つめている。そして俺の方をちらっと見る。
まるで俺の口からこれは冗談だったと出てくるのを待っているようだ。
「ほら、さっさと食え。もう暗くなるぞ。」
俺は顎をしゃくった。蒼星石はまた俺の方を向き、またウンコを見た。
そして口を徐々にウンコの方に近づけていく。顔がしかめっ面になっていく。
そのまま口からちょこんと舌を出すと、ウンコをペロペロと舐め始めた。
「うっ・・・。苦い・・・。」
涙も止まり、しゃべらずに、黙々と必死にウンコを舐め続けている。
よくもまぁこんな糞犬のために必死になれるモノだ。
舐める速度は徐々に速くなってきた。しかしそれでも遅い。
「ブシャッ」
俺は蒼星石の頭を踏みつけてやった。
「ほら、さっさと食え。日が暮れるだろうが。」
「う・・・。」
蒼星石はウンコにかじりついた。ウンコが蒼星石の口の中にずるずると入っていく。
ウンコを食べ終わったときはもう日は暮れていた。
散歩中、もう一度ウンコするときがあったが、そのときは蒼星石はためらわずにウンコを食べた。
そして家に着いた。


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