蒼星石

12月11日
そのまま散歩に出かけた。元々人通りは少ないのでなんとか蒼星石は見つからずに済みそうだ。
蒼星石はずっと犬の方を見てにやにやしていやがる。
しかも時々小声で「翠星石」とだけ呟いた。まったくキモイ奴だ。
急に犬が立ち止まったかと思うと、ウンコをした。
「あ〜こんな所でうんこしやがって。この犬はもう駄目だな。」
「まって!マスター!僕がなんとかするから・・・。」
「じゃあ食え。」
「え!?・・・」
流石に驚いている様子だ。
「まさか家にこんな汚いモノを持ち帰るつもりか?ふざけるなよ。
 あと、手を使うなよ。手がウンコまみれの奴と歩きたくないからな。」
「え?じゃあどうすれば・・・。」
「顔を地面に付けて食え。」
「そんな・・・。」
「じゃあこの犬ともおさらばだな。俺にはもうこの犬は手に負えない。」
「まって!わかったよマスター。」
必死な声で訴えてくる。馬鹿丸出しだな。
蒼星石はまた涙ぐんでいる。泣き虫な奴だ。うざったい。


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