蒼星石
12月11日
「翠星石・・・。」
悲しそうにそうな顔で犬を見ている。そのときはっとした様子で、
「マスター、翠星石を叱らないで!この子は怯えているだけなんだ。」
自分にかみついた犬を必死にかばっている。別に犬を叱ろうという気は全然無かった。
むしろ良いモノを見せて貰って感謝している。しかし俺はピーンと来た。
「この犬は駄目な奴だな。保健所で処分してもらおうか・・・。」
そのとき蒼星石は急に驚いた様子で、
「だめ!マスター!!この子は全然悪くないんだ!お願い!」
「まぁお前が何から何まで面倒を見るなら処分してやらなくてもよいが。」」
「うん!僕が面倒を見るよ!だから殺さないで!」
「そこまでいうなら大目に見てやろう。」
「ありがとう、マスター。」
単純な奴だ。どうやら退屈だった散歩も楽しくなりそうだ。
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