じじい(柴崎元治)×蒼星石
蒼星石は何故こうなったのか、その理由を考えていた。
自分がした事と言えばマスターに自分が何者であるかを知らしめた……たったそれだけだ。
だが『それだけ』が今の結果を生み出している。
自分は押し倒され、老人はその上に覆い被さったのだ。
繰り返し蒼星石は思考する。
何故それがマスターを狂わせたのだろう、と。
「……やめて、マスター」
蒼星石は震える声で懇願する。
こんなの何時ものマスターじゃない。
如何して貴方がこんな事をするのですか、と。
「何を言ってるんだ……誘ってきたのはお前じゃないか?」
老人は息を弾ませながら蒼星石のスリップに手を滑り込ませ、裸身を弄ぶ。
目を血走らせ、額に汗ばみながらも、一心不乱に行為に及ぶ姿は醜く、無気味でさえあった。
最早、信頼と親愛を寄せていた老爺は何処にも居ない。
低劣な欲望に身を焦がせた男が居るのみ。
[次へ] [戻る]