ジュン×翠星石&真紅 その2
真紅のその一言が翠星石の胸に深く深く突き刺さった。
『じ、ジュンは翠星石のものですぅ…』
翠星石の声がわずかながらも震えていた、美しいオッドアイの瞳には愛の印が溜まっていた。
『わ、私は……私は…』
真紅は涙を流し狼狽えていた、私は何?私はジュンにとって一体何?自責の念が心に押し寄せた、そして知らず知らずの内に泣きながら部屋から出て行った。
その一部始終をジュンは外で聞いていた、そして翠星石に意味ありげに頷くと、黙って真紅の後を追った。
― Nのフィールド ―
真紅は自分が作り出した世界で一人声を上げて泣いていた、ジュンはその声を便りに真紅を探していた。
『真紅……』
ジュンは真紅を捜し当てた、真紅は荒れ果てた一軒の廃屋の中で両手で顔を隠して泣いていた、廃屋……水銀燈と同じ世界、真紅もまたジュンの愛を欲していたのだ。
『じ、ジュン!?何をしにきたの?』
真紅が慌てて涙を拭いて叫んだ、せめていつも通り気丈に振る舞おうとしていたが、知らず知らずに頬に涙が伝っていた。
『僕はお前に謝りにきたんだ……』
ジュンが真紅に歩み寄って言った…確かに後悔していた…
続く
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