ジュン×翠星石&真紅 その1
夜が明け、赤く染まった太陽が建物の隙間をぬけて、ジュンの顔を照らす。
それに気づき目を向けるが、どういう訳か太陽が二つに見える。
メガネを掛けてないためだろうか…。
……多分、そうなのだろう…。
モジモジしながら、翠星石が口を開いた。
「‥‥‥翠星石もジュンの事好きですよ。」
「今さらだぞ、どうしたんだ?」
「べつにぃーですぅ。」
素直なのかそうじゃないのかよく分からない彼女を見て、ジュンはからかう。
「そんなに僕の事が好きなら、これからはマスターとしても丁重に扱えよ。」
「ね、寝言は寝て言えです!!お前こそもっと翠星石を大事にするですよ。
たまには一緒にお菓子でも、作りやがれですぅ。」
また騒ぎ出した翠星石をだっこして、ジュンは階段を上がっていった。
…そのころジュンの部屋では、一つの鞄の中から声が聞こえた。
「そう…ご苦労だったわ、ホーリエ。
まったく、主人以外に懐くなんて…。お仕置きが必要のようね。」
……たぶん、これも気のせいだろう…。
完。
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