ジュン×翠星石

「はいはい。分かった分かった。それじゃあ僕は飯も食べ終わったことだし、雛苺と遊びに二階へ行くとするかー。」
「本当!?わ〜い!」

キャッキャッと騒ぐ雛苺と共に、リビングを出ていこうとする。
「待ちなさい!主人を置いていくなど許さ……」

ピカッ!ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…

一際大きい雷と共に、電気が落ちる。「きゃっ!」と短く悲鳴が混じって聞こえた。
「ジュンくんー。停電ねぇ。こんなに強い台風は久しぶりね。お姉ちゃん思わず叫んじゃったわよぉ。」
パタパタと足音をさせて、アイツがキッチンからリビングにきた。
なんだ……アイツが叫んだのか。真紅が叫んでいたのならレアだったのに。

「それにしても暗いな……まだ昼だろ。」
辺りは停電したにしても昼間だというのにかなり暗かった。多分、今眼鏡を外したらなにも見えないだろうな。
……まあ、それよりも今はへばりついているチビをどうにかして欲しいが。


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