ジュン×翠星石

『……大型で強い台風14号は、依然勢力を維持したまま移動しており、翌日には……を直撃するでしょう』


朝。僕はガタンガタンと揺れる窓ガラスの音で目が覚めた。
眠い目をこすり、眼鏡をかけて窓の方を見てみると、雨粒が窓を激しく叩いていた。風も激しいようだ。

「遅いお目覚めねジュン。」

振り返ると、真紅はすでに読書中だった。他のドールもすでに起きている。
「別に、僕がいつ起きようと関係ないだろ……」
いちいちうるさい奴だ。僕のことなんだからほっといてくれよな……ったく。

「ジュン〜!お外がすごいのー!びゅう、びゅう〜って!」
雛苺がうれしそうに僕に飛びついてくる。重いうえに、うっとうしい。
「外がこれだけウルサいのに惰眠を貪ってやがったのですかぁ?これだからチビなんですぅ。」
翠星石がいちいち毒づく。こいつから口をとったら後には何も残らないだろうな。

「ジュンく〜ん!起きたの〜?昼ご飯一緒に食べなぁい?」
下のリビングからアイツが呼ぶ。
ちょうどお腹が空いていたところだし、降りていってやるか。


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