ジュン×真紅

3体の人形達もすっかり寝静まった深夜の0時頃、ジュンは3つ並んでいる鞄のうちの1つに近づいていった。
音をたてないように慎重に鞄を開ける。その中には薔薇乙女の第5ドール、真紅が眠っていた。
(やっぱこうやって見るとかわいいよな・・・。)
そんなことを考えながらジュンはぼうっとした眼で真紅を見つめていた。普段は小憎らしいことばかり言ってくる真紅だが、寝ている姿はまさにかわいい人形そのものである。そんな人形を見ているうちに、ジュンの中には真紅に触ってみたいという欲望が湧き上がっていた。
(触りたい・・・でも起きるかもしれないし・・・もしそうなったら軽蔑されてしまうし・・・でも・・・。)
そんな堂々巡りな考えをしているうちに、口は半開きになり、息が荒くなり、手は真紅と自分の間をうろうろしていた。しかし、ジュンも一応男の子である。欲望に逆らうことはできず、恐る恐る伸ばされた手はいつの間にか真紅に触れていた。
(あっ・・・触ってしまった・・・。でもこうなったら後には引けないし・・・。)
真紅の顔を、首筋を、胸を、触れるか触れないかぐらいの触り方で這うように撫でていく。ジュンの顔は何かにとりつかれたような表情をしていた。


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