ジュン×翠星石&真紅 その1

― 翌日 ジュンの部屋 ―
ジュンは快感の余韻に酔い痴れていた、愛する人との情事…だがそれは夢だった、全ては夢だったのか?…いや違う、今隣では愛しい人が幸せな寝顔をして横たわっていた。
しばらく見惚れていると翠星石がウッスラと目を開き始めた。
『ジュン……あ…やっぱり私はしがない人形でしか無かったですぅ……』
翠星石が自分の手を見つめて悲しそうに呟いた、ジュンは翠星石を軽く抱き締めた。
『例え人形だろうと……翠星石は僕にとっては大事な存在…』
ジュンが優しく言った、翠星石はそのオッドアイいっぱいに涙を浮かべて精一杯微笑んで見せた。
『あなたが好き……』
翠星石が頬を紅潮させてボソリと呟いた、その時静かに扉が開き、薔薇色のドレスが目に入った。
『じ、ジュン…一体これは…』
真紅であった、目には驚きと怒りに満ちた色を浮かべていた。
どうやらこれから修羅場が始まるのであろう…僕は寿命を全うできるのだろうか…。
(愛と欲望の日々 完)


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