蒼星石×翠星石

午後。
皆がリビングに集まり、紅茶を楽しんでいた。
「ほら。蒼星石の分ですぅ。」
「えっ……あ、ありがとう……」
翠星石からカップを受け取り、口を付ける。
いつもなら楽しめる時間なのだが、今の蒼星石にはとてもではないが楽しめそうにない。
「ダメね。葉が開ききってないわ。進歩しないわね、のり。」
「うぇぇ……ごめんなさい……」
「苺大福おいしいの〜!」
「うるっさい!食べているときぐらい静かにしろ!」
そんな会話が聞こえたような気がした。
(ああ……僕、どうしたら……)
悩み、俯きぼーっと考える蒼星石。

……そう………そ…………

(誰かに相談する?ダメだ……恥ずかしいよ……)

「蒼星石!」

「え、な、なに?翠星石。」
どうやら、考えごとに夢中で翠星石の呼びかけをかなり無視していたらしい。
「どうしたですか?ぼーっとしちゃて。らしくないですぅ。」


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