水銀燈×ジュン

桜田家のある日の昼下がり。

ジュンは、トイレで用を足した後リビングへ向かおうとした。
しかし……

ガタガタ

物置から音がするので不審に思うジュン。
今現在、桜田家にいる四体のドールはすべてリビングにいる。
つまり、物置の中にいるのはそれ以外の何か。
(……なんだろう?)
少し怖い気もしたが、ジュンは物置の中を調べることにした。
扉を開けて中を調べるジュン。しかし中には何もなかった。
(気の……せいか。)
ほっとするジュンだが、物置の中の大鏡の前に何かが落ちているのに気がついた。
ここからでは暗くてよく見えない。
(……ん?)
物置の中へと進み、それが何か確かめるジュン。
それは、漆黒に染まった一枚の羽だった。
「確か……これって……っ!うわぁぁぁぁぁ!」

突然、鏡の中から白い腕が伸びてきてジュンをがしりと掴むと、そのまま鏡の中へと引きずり込んでいった。


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