ジュン×真紅

私はローゼンメイデン第5ドールの真紅・・・・・・だった。
だけどそれはもう遠い昔のこと。
・・・アリスゲームでさえ放棄した私は薔薇乙女である資格はもう無い。
何故ならそう、私は薔薇乙女としての宿命でなく、「愛」を選んでしまったのだから

私の前に横たわる老人。もう、彼は動くことはない。
「何故?何故あなたは逝ってしまったの?返事をしなさい」

だけど彼は何も答えない。何故逝ったの?私を置いて・・・。いえ、そんなこと、「愛」を選んだ時点で分かっていたはず。
なのに、目から大粒の涙が流れてくる・・・。私は改めて彼が人間であること、私が人形である現実に
泣いてしまった。隣では、彼の姉が泣いている。

ああ、何故こうなってしまったのだろう?そう、全ての始まりは彼と会った時から……
もう60年も前のこと…… 彼は「ジュン」という名前だった。
あの時はジュンもまだ子供だった。ある日アリスゲームの戦闘の影響でジュンは傷ついた。
私の責任だった。私はこれ以上彼を傷つけない為に、彼との別れを決心した。だけど私は結局
ジュンとは別れなかった。ジュンに本当の気持ちを告げたあの日、私は初めて彼に抱かれた。その思い出は
60年たった今でも忘れはしない


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