ジュン×真紅

【大人のキス】

「それじゃ行ってくるですぅー」
「じゃあねぇ。しんくぅー、ジュンばいばい……なの」
 それは翠星石と雛苺が何かの用事(どうせくだらない用だろう)で
出かけた時だった。僕はアンニュイな午後を紛らわす為、いつもの様に
インターネットで怪しげな通販を物色していた。
「あっ、それと真紅、留守の間チビ人間に気をつけるです。男は狼ですから……」
「うるせー!早く出て行け!それに僕はチビ人間じゃない!」
 ここまではいつもの会話だったし、いつもの午後だった。だけど、この後
あんな事になるとは僕は夢にも思っていなかった。

 それは2人(体?)が出て行った後、真紅が僕に投げかけた一言からだった。
「ねぇ、ジュン。」
「……んっ。真紅、今……呼んだ?」
「……ジュンは……キス……ってした事あるかしら……」
「な、な、なに言ってんだ。いきなり!そっ、そっ、そんな……」
「……その様子だと無いのね。」
 急に意味深な事を言ってきた真紅はじっと僕を見てる。な、なんだよ、
恥ずかしいじゃないか。
「ジュンがやった事が無いのなら……キス……しない?」
「す、好きな人同士じゃないとキスは……だめなんじゃないか……なぁ」
「嫌いなの?」
「いや、嫌いじゃないというか……むしろ好きっていうか……」
 その言葉を聞いた真紅が僕の目の前にすすっと寄ってくる。気のせいか白く
透き通った真紅の頬が桜色に染まっているように見えた。息がかかる位の
距離まで近づくと真紅がゆっくりと目を閉じる。

《んっ……くん……んん、ん》

 軽く触れるだけのキス。これって僕のファーストキスに……なるのかなぁ。
でも、僕の心臓はバクバクと張り裂けんばかりに鼓動し、僕のアレ……はズボン
の中でパンパンに誇張してきていた。
「紳士のキスね。でも、ジュン……もうちょっと深く……して……ちょうだい」
 その言葉を聞いた僕の理性がぷつんと切れる。人形相手とかそういう気持ちは
既に無くなっていた。僕は目の前にいる真紅という少女の全てを欲していた。

《ちゅく……くちゅ……んんっ》

 真紅に二度目のキスをすると今度は舌先を小さな口内に挿し入れる。真紅も
その舌先をチロチロと舐め返してきた。お互いの唾液が互いの口内に流れ込み、
唇が離れるとキラキラと糸のような筋を引く。真紅の目はトロンとして僕の行為を
全て受け入れてくれていた。


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