ジュン×水銀燈・翠星石 その1

ジュンは何度も時計を見ていた。時刻は深夜をまわった頃である。
「遅い…まだかな…?」
ジュンはまだかまだかと「あの子」を待ちわびていた。
と、そのとき待っていた声が響く。
「フフフ、おまたせぇジュン。」
そう言った少女は美しい銀の髪、そして黒紫のドレスを着ている。
「水銀燈!!」
「そんなに嬉しそうな声出さないでよぅ。」
ニッコリと笑う少女はドールズに対する様な馬鹿にした態度がなく、
飾らない、実に可愛らしい表情を浮かべている。
「・・・・・・」
ジュンは思わずその笑顔にみとれてしまった。
何も反応が無いのに疑問を抱いたのか、水銀燈は訊ねた。
「どうしたの?私の顔に何かついてるぅ?」
「い、いや、べべ、別に!」
「ふうん。変なジュン……クスクス……。」


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