ジュン×翠星石

 一瞬、翠星石は何が起こったか理解できなかった。
 自分の唇に触れている。ジュンの唇が、自分の唇に触れている・・・・
 状況を把握した瞬間、翠星石の頬はボンと音を立てて真っ赤になった。
(な、な、なにしやがるですか〜!!)
 パニック状態となり、ジュンから離れようとする。だが首から下が○ューピー人形
では満足に動く事すら出来ない。さらに髪を優しく撫でるジュンの手の感触が、翠
星石の抵抗心を溶かしていく。
(チビ人間のくせに、チビ人間のくせにっ・・ですぅ)
 心の言葉だけは抗いながらも、翠星石は目を閉じ、ジュンへと身?を任せた──。

 結局、その後何事もなく二人は眠りについた。
 それに関しては翠星石の目論見どおり、ジュンは翠星石になにも出来なかったのだが
──
(・・・・・・・ちょっと残念だったですぅ)
 ジュンの腕に抱かれながら、かすかな声で翠星石は呟いた。


<おわり>


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