真紅×水銀燈
10.
「もしかして、君もしてほしいの、翠星石?」
「はーい、ヒナちゃんは、私が抱っこしてあげますからねぇー。」
「わーい、のりに抱っこぉ!」
一家揃って午後のおやつを楽しんでいる、桜田家一同。
ただ、次の日、何故か全裸でミイラ化寸前まで衰弱したジュンが発見されて、
開闢以来のパニックに陥るのであるが、それは別のお話。
「・・・・はぁ・・・・」
まだ熱さの残った身体の余熱を逃がすように、そうっとため息を漏らす水銀燈。
「・・・・たしかに、アリスゲームより・・・
大切なものなのかもしれないわねぇ・・・
ねぇ、メイメイ?」
乱れた服を丁寧に直しながら、ぽぅっとした表情で、つぶやくのだった。
「また、あいにいきましょう・・・・」
おやつの真価 完
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