真紅×水銀燈
「おやつの真価」 (エロ無し馬鹿ネタSSです、失礼)
1.
桜田ジュンの知らない内に、激闘を繰り広げている真紅と水銀燈。メイメイとホーリエ、二体の
人工精霊も、それぞれの光の軌跡を描きながら、花火のように激しくぶつかりあい、弾けては交差している。
ジュンに無許可のまま、指輪を介して力を吸収している真紅は、(この頃、ジュンは寝起きにげっそり
しているのはそのせいである)ついに、水銀燈を追いつめる。
黒い羽の奔流をはねのけ、刃物のような薔薇の花びらが、水銀燈を襲い、必死にかわした水銀燈の
先に、素早く位置を占めた真紅が立ちふさがる。
「水銀燈・・・ここまでね・・・」
「しっ・・・しぃんくゥゥゥ!まだ、まだよぉッ!」
チリリリリリ・・・・
「あ・・・」
「?」
周囲に立ちこめる殺気とはまるでそぐわない、可愛らしいベルの音。懐から小さな懐中時計を取り出して、時間を確認する真紅。
「・・・おやつの時間だわ。」
「は?」
思わず、ちょっと間の抜けた声で聞き返す水銀燈。
「なんども言わせないで。おやつの時間なのだわ。・・・・決着は、また今度ね。」
懐に懐中時計をしまい込んで、後はとどめを刺すだけになった宿敵に、あっさり背を向ける真紅。
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